強さ

やっぱり僕はどこかおかしい
何ともいえないが選民思想みたいなものが
頭をもたげることがよくある
お前達は分かっていない
俺は分かっているみたいな考えがよく浮かぶ
特に調子の悪い時がそうである
人はしょせん俺の気持ちなんて分からない

人の結婚式を見たとき、いっつも思ってた
俺ん場合あんなのできないし、したくないんだ
結婚できるような人間じゃないんだ
欠落感と疎外感に打ちのめされる
寂しくなったし、幸せそうな人とか憎む
気持ちもでてきた
俺は親になんてなれないやろうといっつも
思ってきたし今も思っている
立派な家庭を羨むと同時に憎んだ
俺のことなんてわかってもらえんやろうと

精神的な病抱えた人間が家庭にいること
母親がそうであること
それが嫌で嫌で仕方なかった
この人の血が自分に混ざってるって思っただけで
むかついてどうしようもなくなった
そのくせに自分から遠いところで
何らかの悩みを抱えた人には大いに同情した
自分は弱くて自分の周りで本当に
大事なものを守る力もないくせに
遠い、自分に関係ないものに
同情してきたし社会に対して
憤慨してきた
だからそういう問題に関心のない人が
羨ましくもあり、軽薄だとも思い、
憎みもしてきた
でもなんで俺は同情だけする？
それは弱さやろう
自分もがんばるからお前もがんばれ
ってのが筋やろう
ただの同情はある意味において
自己の正当化と自己優位の確認に
違いない
俺はそうやってオナニーしてきたんだ

昔はもっとひどかったのを考えると
ずいぶんとマシになったとは思う
でもやっぱりある
抜き出しがたい
自分と俺は戦ってない
逃げてるだけや

たけしの「ブラザー」見たとき、感動した
寂しさの中で生まれた絆
羨ましかったしどうしようもなく悲しかった

やくざとかオウムとかって疎外感や寂しさや
孤独から生まれるんだろうなって思うし
今の僕にもそれは凄い分かる気がしてた

強くならなければだめなんやろう
強くならないと
もっと強くならないと


なにかにすがらないと生きていけない人
僕は今、すがるものを求めているに違いない
望むのはただ、世間的にはヘンテコに見えても
決して世の中で害悪になってしまわないこと
独善にならないことだけだ